■コラーゲンについて
「コラーゲン(Collagen)とは」
コラーゲンは、人間やいろいろな動物の体の中に存在するタンパク質です。
体の中での第1番目の役割は、体全体あるいはいろいろな臓器の枠組をつくることで、実際、体の枠組をつくっている皮膚や骨や腱などにはコラーゲンが大量に存在しています。たとえば、皮膚の乾燥重量の約70%、アキレス腱の乾燥重量の約85%はコラーゲンで出来ています。骨にはヒドロキシアパタイトとよばれるカルシウムとリン酸の化合物がたくさんありますが、それを除いた成分(有機物質)の実に約90%がコラーゲンです。心臓、肝臓、腎臓といった臓器の枠組もコラーゲンがつくっていて、そこにたくさんの細胞がはりついています。もちろんこれらの臓器のコラーゲン含有は、骨や皮膚ほど高くはありません。哺乳動物の全タンパク質の30〜35%はコラーゲンだという説もあり、20〜25%ぐらいであるとの説もあります。
体や臓器をつくるタンパク質として、コラーゲンは体にとってきわめて重要な存在で、たとえば先天的に骨のコラーゲンがうまくつくれないと、骨が弱くなって、すぐに骨折したりします(骨形成不全症)。加齢に伴なって、皮膚のコラーゲンの量が減ったり変質したりすると、弾力性を失って、シワやたるみが出来たりします。
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| ■コラーゲンに関する Q&A |
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| Q. |
皮膚とコラーゲンの関わりは? |
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| A. |
皮膚は一番外側から、表皮、真皮、皮下組織(皮下脂肪)から成り立っています。ふだん、私たちが目にするのは表皮の部分ですが、これは表面だけの薄いもので、女性が美肌をめざして手入れをするのは、表皮の部分に当たります。しかし、本当に美しい肌を目指すなら、表皮より肌の下にある真皮に関心を向けるべきです。何故なら、肌の潤い・弾力性を実際に決定しているのは、真皮の成分の約70%を占めるコラーゲンであるからです。
コラーゲンの線維は、長い棒状の線維が3本らせん状により合わさってできており、より合わさった線維と線維との間には「架橋」と呼ばれる橋が架かっています。
架橋は線維の結合の強化するとともに、線維と線維の間に水分を蓄える役割を果たしています。このコラーゲンの性質があるからこそ、肌は柔軟性・弾力性さらに保湿性を維持できるというわけです。
20歳はお肌の曲がり角、といわれていますが、実際には17歳を過ぎたころから体の新陳代謝が悪くなり、肌の老化が進みます。そして真皮が歳とともに薄くなり、老年期には20歳のときよりも約80%も薄くなります。
すなわち、老化によりこの新陳代謝が衰えると、コラーゲン同士が結びつく不自然な架橋が増えてきます。増えた架橋で水分を保つ場所が狭められて、水分がほとんど失われていきます。その結果、真皮のコラーゲンから水分が減少していくと、保湿効果が衰え、カサカサの皮膚となり、その影響が表皮にシワとなって現れるのです。
カサカサした肌に無数の小ジワ、これらのトラブルもすべて老化架橋の出現です。肌の大敵である老化架橋の形成を防ぐ意味でも、コラーゲンの新陳代謝を活性化しなければなりません。
シミ・ソバカスもシワと並ぶ脅威です。これもまた真皮のコラーゲンのコンディションを良くするとことで、ある程度避けることが出来ます。
表皮の構造を詳しく説明しますと、上から角質層、顆粒層、有棘層、基底層で成り立っています。新しい皮膚細胞は、表皮の最も下にある基底層で作り出され、少しずつ形を変えながら上の層へ押し上げられていきます。
扁平の形になった細胞は伸びて重なり合い、角質層を作り上げ、やがてアカとなってはがれ落ちていきます。このような細胞の新陳代謝をターンオーバーと呼び、だいたい28日周期が理想とされています。
シミやソバカスができても、このターンオーバーがスムーズに行われていれば、すべてアカとして排出することが出来ます。しかし、基底層での新陳代謝が悪くなると、ターンオーバー周期が乱れ、シミやソバカスは皮膚表面に居すわり続けるので。
基底層を支える役割を果たしているのが真皮で、真皮のコラーゲンの新陳代謝が活発なら、表皮の基底層の細胞の新陳代謝の働きも活発化して、アカもはがれやすくなります。 |
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| Q. |
骨とコラーゲンの関わりは? |
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| A. |
骨はカルシウムとコラーゲンの組み合わせ(コラーゲン・・約25%、カルシウム・・約25%)、残りは、水や他のミネラルや糖質です。
骨はカルシウム・マグネシウム・リン・ナトリウムといったミネラルがコラーゲンの周りに規則正しく組み合わさるように付着してつくられています。骨はまずコラーゲンが先に作られなければ、カルシウムが付着することができません。骨にはこの組み合わせが大切なのです。カルシウムだけを摂取しても、その土台となる、柔軟性を持った非常に丈夫なたんぱく質コラーゲンが不足していると骨の弾力性がなくなるとともに、粗くなって骨折しやすくなります。 |
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| Q. |
関節とコラーゲンの関わりは? |
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| A. |
関節は柔軟性のある軟骨で覆われており、その軟骨の約50%はコラーゲンでできています。
ところが年齢による老化や、スポーツや肥満などによる過剰な負担がかかることで磨り減り、なめらかさを失うことがあります。コラーゲンはこの軟骨の表面を再生する力を高めて、関節の痛みを和らげることがわかっています。
人間の骨で一番大きな骨は、太ももの部分の大腿骨です。そして2番目に大きな骨が脛骨です。全体重の付加が一点にかかるため、体重の何倍もの力がかかります。
関節の動きは、よく「ちょうつがい」に例えられますが、実際には「ねじれる」又は、「ずれる」ような動きになります。上下の骨の間は7mmの間隔があります。この7mmの間隔が、立ったり座ったり、階段の登り降りの動きをスムーズにします。
若い時は、体重の重い人も、軽い人も同じように骨の7mmの間隔がありますが、老化してくると、この上下の骨が近づき痛みなどのトラブルが発生します。
原因は、加齢とともに軟骨が磨り減ることにありますが、上下に引っ張る「腱」が弾力を失ってくることも原因になります。
腱・靭帯の主要成分…I型コラーゲン
軟骨の主要成分…II型コラーゲン・グルコサミン・コンドロイチン |
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| Q. |
コラーゲンと血管との関係は? |
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| A. |
コラーゲンのチューブといってもよい血管は、細かい傷を絶えず生じています。
その傷の修理には、コラーゲンをつくる働きが鈍ればスムーズにいかなくなります。
傷口の修復がうまくいかないと、血液中のコレステロールやカルシウムなどが、傷口から侵入しやすくなります。傷口の修復力が低下した状態は、コラーゲンの新陳代謝が低下して、すでに血管が柔軟性を失った状態といえます。そして、その部分が硬くなってきます。これが動脈硬化の始まりです。
また、血管に生じた傷口には、コレステロールが付着しやすくなります。それが積み重なると、コレステロールが血管を狭めるようになります。あたかも、お粥のような状態でコレステロールが積み重なって血管の内側を狭くしていくのです。
さらに、コレステロールにカルシウムが沈着して粘土が固まったような状態となり、血管はもろく壊れやすくなります。
さらに、剥がれた壁が血管を詰まらせれば、脳梗塞や心筋梗塞を起こします。 |
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| Q. |
コラーゲンと内臓(肝臓)の関係は? |
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| A. |
血管にできた傷の修復だけでなく、皮膚や内臓にできた傷の修復にも、コラーゲンは欠かせません。
私たちのからだの、化学工場とも呼ばれる肝臓では、血液によって運び込まれたさまざまな有害な物質を取り除く作業をしています。飲んだ薬の成分も、一度はこの作業を経て、その働き場所へとかけつけます。また、お酒を飲んだときのアルコールの分解も肝臓で行われます。
傷の修復の遅れは、胃や肝臓、そのほかの臓器でも同様に生じてきます。 |
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| Q. |
コラーゲンと老化との関係は? |
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| A. |
人の体内では、常にコラーゲンの分解と合成が繰り返されています。歳を取ると、このバランスが崩れ分解のほうが多くなってきます。そして、コラーゲンが不足すると、細胞への酵素や栄養供給が悪くなり、老廃物も溜まりやすく、細胞本来の働きが退化することにより、老化へとつながっていきます。
この老化現象に対抗するためには、コラーゲンを補給し、新陳代謝を促す必要があります。 |
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■コラーゲンについての基礎知識
「コラーゲンの構造」
コラーゲンの分子量は約30万で、分子量が約10万の3本のポリペプチド鎖から構成されています。そのポリペプチド鎖を構成する全アミノ酸の3分の1がグリシンであり、そのアミノ酸の配列を調べてみると、グリシンは正確に3つ目ごとに存在しています。つまり、コラーゲンのポリペプチド鎖は「−グリシン−アミノ酸X−アミノ酸Y−」の繰返しでできていて、アミノ酸X或いはアミノ酸Yとしてはプロリン及びヒドロキシプロリン(プロリンが変換されたもの)が多く存在しています。3本のポリペプチド鎖うちの2本は同じ(α1)で、もう1本は異なる(α2)構造をもっています。3本のポリペプチド鎖は、縄をあむようにお互いに巻きついて、左巻きの螺旋を巻きながら、3本のポリペプチド鎖が合わさって、右巻きのらせんをつくっています。つまり、DNA二重らせんとは違って、コラーゲン分子の場合は複合三重螺旋と呼ぶべき構造をしています。ただし、分子の両端の短い部分は、らせんをつくっていません。この部分はテロペプチドとよばれ、架橋の形成や抗原性と関与しています。
コラーゲンの溶液を加熱すると、三重螺旋構造が壊れ、3本の鎖は基本的にばらばらになります。これがゼラチンです。
コラーゲンの分子は少しずつずれてたくさん集まり、より太く長い線維を作る場合があります、これはコラーゲン細線維と呼ばれています。皮膚、骨、腱などの組織の中では、コラーゲンはこの線維をつくっています。この線維を電子顕微鏡で観察すると、67nm(ナノメートル)の周期をもつ構造が見られます。コラーゲンの分子の大きさは、長さが約300nmであり、この分子がおよそ4分の1ずつずれながら規則的に会合しているため、約67nm 周期の構造をもっている事が説明されています。
コラーゲン細線維は、更に多くが寄り集まって、結合組織内で強大な線維を形成する場合があります。これがコラーゲン線維(膠原線維;こうげんせんい、collagen fiber)と呼ばれています。コラーゲン線維の太さは数μm〜数十μm程度で、適切な染色をおこなうと、光学顕微鏡でも観察することができます。コラーゲン線維は皮膚の真皮や腱などにはびっしりとつまっています。
「コラーゲンの機能」
コラーゲンは、様々な結合組織に、力学的な強度を与えるのに役立っています。若干の弾力性もあり、特に、腱の主成分はコラーゲン線維がきちんと隙間なく配列したもので非常に強い力に耐えるようになっています。腱には、筋肉より発生した引っ張り力を骨などに伝え、運動を起こす際には非常に強い力がかかります。また、骨や軟骨の内部では、びっしりと詰め込まれたコラーゲン細線維が、骨や軟骨の弾力性を増すのに役立っており、衝撃により骨折などが起こることから守っています。さらに、皮膚の弾力性や強度などにも役立っています。
一方、こうした従来から知られている機能とは別に、コラーゲンが、それに接する細胞に対して、増殖、分化シグナルを与える、情報伝達の働きも担っていることがわかってきています。
「コラーゲンの種類と分布」
コラーゲンの種類は少なくとも19種類が知られています。見つけられた順番にI型、II型、III型・・・と名付けられています。
I型は皮膚、皮、骨、腱などの主成分がコラーゲンであり、II型は軟骨の主成分のコラーゲンです。III型は血管の壁などにあります。
人の皮膚の場合、胎児ではIII型コラーゲンはたくさんあり、全コラーゲンの50%を占め、新生児では約20%に下がり、10才以降ではさらに減少して約10%になります。
I型コラーゲンの分子の長さは300nm、太さは1.5nmの棒のような形で、II型、III型も同じくらいの大きさで形も同じであります。「4分の1ずれ」の会合して線維を作る性質もI型、II型、III型が同じようにもっています。
ところが、IV型コラーゲンの分子はまるで異なり、分子の大きさはI型よりも大きく、三重らせんをもたない部分(非らせん部分)が分子の中にたくさん存在しています。分子の一方の端に大きな非らせん構造部分があり、三重らせん構造を分断して非らせん構造が20数箇所もあります。それゆえ、IV型コラーゲンの分子は、I型コラーゲンの分子のように堅い棒状ではなく、曲がりやすくフレキシブルであると考えられています。また、IV型コラーゲンの分子は「4分の1ずれ」の会合をせずに、網膜状の構造体をつくっています。 |
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| ■ヒトのコラーゲンの各型の性質と主な分布 |
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| I型コラーゲン |
線維性コラーゲン。最も大量に存在するコラーゲン。骨に大量に含まれ、骨に弾力性を持たせるのに働いています。皮膚の真皮にも非常に多く、皮膚の強さを生み出す働きがあります。I型コラーゲンは、α1鎖(I型)2本とα2鎖(I型)1本が集まって形成される。I型コラーゲンは、多くの組織でコラーゲン細線維、更にはそれが集まったコラーゲン線維の主成分でもあります。 |
| II型コラーゲン |
線維性コラーゲン。軟骨に主に含まれているコラーゲン。眼球の硝子体の成分でもあります。II型コラーゲンは、3本のα1(II型)鎖から構成されています。 |
| III型コラーゲン |
線維性コラーゲン。I型コラーゲンの存在する組織にはIII型コラーゲンも共存する場合が多く、III型コラーゲンは、コラーゲン線維とは別の、細網線維(さいもうせんい)と呼ばれる細い網目状の構造を形成し、細胞などの足場を作っています。 |
| IV型コラーゲン |
非線維性コラーゲン。基底膜に多く含まれており、平面的な網目状のネットワークを形成し、基底膜の構造を支えていると考えられています。基底膜はすべての上皮組織の裏打ち構造で、上皮細胞の足場になるといわれています。 |
| V型コラーゲン |
線維性コラーゲン。I型コラーゲン、III型コラーゲンの含まれている組織に、少量含まれています。V型コラーゲンは、α1(V型)鎖、α2(V型)鎖、α3(V型)鎖が様々な割合で混合した三量体の混合物であります。 |
| VI型コラーゲン |
非線維性コラーゲン。VI型コラーゲンはα鎖が2本逆向きに会合したものが2つ集まった四量体を形成しています。細線維(マイクロフィブリル)の成分でもあります。細線維は、コラーゲン細線維とは別の線維状構造で、直径13nm程度で細胞外基質に存在しています。 |
| VII型コラーゲン |
非線維性コラーゲン。IV型コラーゲン同様、基底膜の構成成分であります。三量体を形成しています。 |
| VIII型コラーゲン |
非線維性コラーゲン。血管内皮細胞などがつくっています。また盛んに形態形成が起こっている組織で多くつくられています。 |
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